こんにちは。
本日は10月23日から11月6日にかけて行われた投手測定の様子をお届けします。
その前に・・・
鹿屋体大野球部ではスポルテックSPセンターを利用して投手測定が行われるのですが、これがとにかくスペシャルなんです。というわけで、「ここがスペシャルNIFSの投手測定」という形でスペシャルポイントを三つ紹介させていただきます。
「ここがスペシャルNIFSの投手測定その①」
・メジャー仕様のマウンド
実は昨年、SPセンターのマウンドは土からマウンドクレイという粘土質の素材がメインの、メージャーリーグ仕様のものにリニューアルされました。特徴としては、硬くて掘れにくく、かなり反発を受けやすいものとなっております。東京ドームや神宮球場も似た仕様となっているため、全国大会出場を目指す我々にとって不可欠な要素となっています。
「ここがスペシャルNIFSの投手測定その②」
・二種のトラッキング機器を用いた投手測定
投手測定では、ラプソード3.0とトラックマンを用いて投球を測定します。それらから得られる球速や回転効率、変化量、VAAなどの情報をもとに現状把握や課題発見、ピッチングデザインをしていきます。
「ここがスペシャルNIFSの投手測定その③」
・モーションキャプチャとフォースプレート用いた動析解析
モーションキャプチャというのはわかりにくく言うと、「赤外線を発する専用のカメラを複数台配置することで三次元空間を構築し、マーカーの三次元位置情報をデジタルデータとして取得するシステムです。マーカーと呼ばれる反射素材を選手に装着し、マーカーの位置情報から選手の細かな動作の解析を行うことができます。」です。投手測定では約60個のマーカーを指定の位置に付けなければならないのですが、これが意外と難しくて、毎度「大転子どこや?」とか言いながらスタッフ陣でペタペタしています。鈴木智晴コーチに最終チェックをしてもらってほとんど修正がないと、嬉しいもんですよ。
こうやって体のあちこちにマーカーを付けます。このモジモジくんスタイルも最初はちょっぴり恥ずかしい///
専用カメラがマウンドを囲うようにずらっと並んでいます。なんか特別なステージみたいでかっこええですよね。Adoがここで歌っても、違和感ないのではないでしょうか。
フォースプレートはマウンドの下に埋め込んであって、踏み込んだ際の圧力の大きを測ることができます。
このように、鹿屋体育大学の投手測定では二種のトラッキング機器や、モーションキャプチャ、フォースプレートによって動作や球質が数値化されるため、感覚に頼らず自分の強みや弱みを正確に把握することができるわけです。時間は有限ですから、要領よく練習をするに越したことはないですよね。
以上、「ここがスペシャルNIFSの投手測定」でした。
ここからは投手測定の様子と体大投手の紹介をさせていただきます。今回は都合により4人の投手のみの紹介となりますが、魅力をたっぷり届けさせていただきますのでぜひ最後までご覧になってください。
彼の何がすごいって、一人で何人ものピッチャーになれるんです…。
どういうこと?
ふつう、ピッチャーはオーバースローであればホップ成分の強い真っ直ぐや縦割れのカーブ、サイドスローであれば真横に逃げていくスライダー、と言ったようにアングルによって得意な変化方向がある程度決まります。しかし、彼は変幻自在にアングルを操ることで、どの方向にもボールを変化させることができるのです。そして、それらのボール全てがまあよく曲がること、落ちること。彼曰く、ストレートも4種類投げ分けているようです。それにより、高低にも左右にも奥行きにも幅を出すことができ、打者を翻弄するのです。その投球術に加え、牽制やフィールディングも高次元でこなし、隙を見せません。ラストイヤー、”負けないエース”になることを誓います。
彼を一言で表すならセンスの塊。入学してすぐに140km/hを記録。しかし、そのセンス故に打者もできてしまい、さすがの彼も未だに投手と打者で結論を出せずにいるようです。また、彼は偏見なく積極的に色々な人からアドバイスをもらうタイプで、本人談より、「浪人時代にシャンからピッチングを教わって球が速くなった」というエピソードからもそれが裏付けられます。彼のスタイルはホップ成分の強い真っ直ぐとそれとほとんど同じ腕の振りで変化球をテンポよく投げ込み、打者を押し込んでいきます。この冬、真っ直ぐにさらに磨きをかけ、フォークをモノにすることができるか。投手平塚のさらなる躍進に期待してください。
細身の身体からは想像できない勢いのあるボールを、物怖じせず投げ込みます。彼はハイアングルから放たれる伸びの良い真っ直ぐに、その軌道からカクッと変化するカットボール、縦に割れるカーブを武器に打者を抑え込みます。カットボールに関して、今回の測定でコーチの鈴木智晴氏より「手首ギャン立ち!!!、途中まで真っ直ぐ!!!」との評価を受けており、その威力を証明するには十分でしょう。投手としての能力はピカイチ。森田、小川(③広島国泰寺)が抜けた後、エースを担うのは彼かもしれません。
「恐ろしい!!SPセンターのマウンドは!!!水野のためにあるのかっ!!!!」 (これ伝わんない野球人は危機感待った方がいい)
彼は192cmという恵まれた体格をもつ上に、長い手足を上手に操ることができ、大きな可能性を秘めた鹿屋体大野球部一の素材と言えるでしょう。今回の投手測定では、ラプソード計測では鹿屋体大野球部史上最速となる146.8km/hを記録しました。彼は投手測定のたびに球速を伸ばしており、150という大台も夢ではありません。さらに、その速い真っ直ぐに加え、縦の変化量−20cmを記録する大きく落ちるフォークボールを持ち、支配的な投手になり得るでしょう。今後、”鹿屋の秘密兵器”が公になることを期待しておいてください。
※筆者は体大投手陣を愛するあまり、過剰な表現をしている場合がありますがご容赦ください。程よく期待していただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。今後とも、鹿屋体育大学硬式野球部の応援、よろしくお願いします。
3年 難波航也