みなさんこんにちは。
今回ブログを担当させていただく、4年垣見泰地(郡上→中京大→鹿屋体育大学)です。
今回は秋シーズンの総括をさせていただきます。
さて、今年も残すところあとわずかとなりました。つい最近まで夏だったような気がしますが、近頃は急に寒くなり、「南国」と謳いつつ実は寒い鹿児島の冬がやってきました。大学野球は、明治神宮大会が青山学院大学の二連覇をもって幕を閉じましたが、全日本インカレなど他の大学スポーツはまだまだ白熱しており、鹿屋体育大学も全国の舞台で活躍しています。ぜひご注目ください!

春の南部九州大会敗退をもって4年生から3年生へと引き継ぎ、新チームが始動しました。鹿屋体育大学はこれまで3季連続で南部九州大会において「一球」を分ける僅差の場面で悔しい敗戦が続いていました。そこで新チームでは「普段の練習から『一球』を大切にし、勝負強い集団になる」ことを方針とし、これまでにない厳しい練習も始まりました。
最初は、厳しい練習についていけない選手や反発する選手もおり、一時はチームに亀裂が入るような時期もありました。それでも3年生を中心に学年間の交流やミーティングを増やし、下級生は新人戦も経験したことで、夏休み前までには、選手全員が目の色を変え、「一球」に対する強い思いを持って取り組んでいました。
夏休み期間は、Σ(上級生中心)、∮(下級生中心)の二つのチームに分かれ、それぞれの課題と向き合い、猛暑にも負けず練習やオープン戦(OP戦)に取り組みました。私は主に∮チームに関わっていましたが、キャプテンの洲本(大阪学院③)を中心に、練習では実践メニューを多く取り入れました。体力的にもきつい中で、上級生が下級生の手本となり、コミュニケーションを増やして思考力を高めていました。
普通の大学生にとっては自由な夏休み期間ですが、彼らが毎日朝早くから夜遅くまでひたむきに野球に打ち込む姿は本当に立派でした。

9月に入り、まだまだ真夏の暑さが残る中、リーグ戦が開幕しました。初戦は少々苦しい展開になりましたが、新チームから積み上げた勝負強さで勝ちきることができました。
そしてなんと第2戦では、謙虚・誠実・温かさ、郡上人の全てを兼ね備える鷲見(郡上②)によるノーヒットノーランを達成。その後も打力、投手力で押し切り、無事全勝優勝で締めくくることができました。

何よりも今大会では、代打陣の活躍が多く見られ、終盤のダメ押しとなる複数得点が、チーム全体の底上げの鍵になったと思います。Σチームがリーグ戦で奮闘する一方、∮チームも負けじと練習やOP戦を繰り返し、個々の技術を磨いていました。今後彼らが公式戦で鹿屋体育大学を背負い、活躍する日が来るのだろうと思うと、本当に楽しみでしかありません。
10月に入り、後期の授業が始まるとともに、すぐに南部九州大会が始まりました。初戦の熊本学園大学戦は、おそらく郡上出身者として初めて沖縄のマウンドに立ったであろう鷲見(郡上②)の好投もあり快勝。準決勝の琉球大学戦は、相手監督も脱帽の森田(済済黌④)のテンポのいいピッチングで、無事勝ち切りました。
そして決勝戦の相手は、これまで何度も激闘を繰り返し、敗戦が続いていた東海大学九州キャンパス。序盤に先制するもすぐに追いつかれ、その後はリードを許す厳しい展開に。それでも投手陣は継投、野手は粘り強い攻撃を見せ、中盤に得点を重ねました。ブログでは何度か登場しているので紹介は不要であろうスーパールーキーのホームランで同点に追いついたあの瞬間、現地で見た打球音、放物線、歓声は今でも鮮明に覚えており、忘れることはありません。

同点の終盤、球場は一気に緊張感に包まれ、選手、観客が「一球」にのめり込む中、最後に勝ち切ったのは鹿屋体育大学でした。あの緊張感の中で「投げ切れた」「守り切れた」「打ち切った」ことは、まさに新チームが掲げた方針が正しかったことの証明になったのではないでしょうか。特に春で主軸であった4年生投手陣が多く引退し、投手力が心配されていましたが、今回の決勝は3年生投手陣がイニングを繋ぎ、東海大九州を抑え込みました。この死闘を乗り越えた3年生投手陣は、計り知れない成長を遂げたでしょう。

そして迎えた、明治神宮大会の出場権を掛けた全九州大学野球選手権大会。「全国で勝てるチーム」を目標とする我々にとっては、優勝することが必須条件です。初戦の九州国際大学戦は、九州でも名を馳せるようになった横道(健大高崎①)のホームランもあり、快勝しました。準決勝は、ソフトバンクホークスが本拠地とするPayPayドームで行われました。相手は大分県の強豪私立、日本文理大学。序盤に先制するも、その後ビッグイニングを許し、反撃したいところでしたが、相手投手陣に封じ込まれ、惜しくも鹿屋体育大学の快進撃はここで幕を閉じました。
結果としては全国の舞台には行けませんでしたが、この準決勝の舞台では、普段控えとしてチームを支える選手が終盤に打撃や守備につく機会が多くあり、ベンチ入りした全選手にとって非常に貴重な経験になったと思います。この舞台で経験した活躍を糧に、これからさらに強くなった姿で、来春また活躍する姿を見せてくれることを期待しています。

この試合をもって、今年の全日本、神宮大会と全国をかけた戦いは終了しました。が、しかし、∮チームの選手たちが活躍する大会は続きます!筆者も彼らの成長を見届けるために、同級生はいなくなってしまいましたが、もう少し頑張ります。
11月の初めには大分県で九州インカレがありました。∮チームの選手たちにとって、宿泊を伴う遠征はほとんどが初めて。バス移動やホテルの疲労感、洗濯や食事など、普段とは違う試合への向き合い方に少々戸惑いつつも、各自が考えてより良いコンディションを整えていたと思います。

試合は強豪相手に奮闘しましたが、惜しくも負けてしまいました。それでも、短期間でこのチームを作り上げた熊谷(岩見沢東②)キャプテンを中心に、OP戦では見られない本気で勝ちに行く姿勢や、勝負にのめり込む姿が見られました。しかし、試合への向き合い方、周りの人々への配慮、コンディション調整など、野球人としてまだ未熟であったことを再確認する経験にもなったと思います。さらなる成長を遂げ、いつか鹿屋体育大学を代表する選手に育っていってくれることを期待しています。

11月の終わりには、鹿屋体育大学公式戦最終戦となる社会人交流大会がありました。短期間でのチーム作りに苦戦を強いられましたが、洲本(大阪学院③)を筆頭に3年生が中心となって下級生を牽引し、なんとか大会までにチームを仕上げて試合に臨むことができました。試合は、序盤に許したビッグイニングに追いつくことができず、鹿児島DWに敗北しました。今回も、全員が勝負する集団になるためにどう取り組むべきかについて、深く理解できた経験になったと思います。全員が主体性を持って取り組む大切さを知った彼らは、これからのチーム作りに大きく貢献してくれることでしょう。本当にお疲れ様でした。

さて、この試合をもちまして鹿屋体育大学の秋シーズンは幕を閉じ、公式戦が全日程終了いたしました。応援してくださった関係者の皆様、本当にありがとうございました。筆者も野球部での活動を終え、卒論に向けて精一杯頑張れそうです(残り2週間)
このシーズンは「勝負強さ」が勝敗を分ける鍵となる場面が多くありました。それをテーマに大会に臨んだことで、勝ち切れる場面があった一方、勝ち切れずに多くの課題が見つかる機会にもなったと思います。選手たちはその課題を克服するため、通常の練習ではなく、緊張感を持った練習を、正しい質で圧倒的な量をこなしてきました。これをさらに追求し、いつか「一球」の緊張感さえも打破できる「戦う集団」になってくれると信じています。そんな野球部に携わってきた全ての方々に最大の敬意を表し、秋シーズンの総括とさせていただきます。
そして来季から新たなフェーズへと入る鹿屋体育大学野球部。大学野球界では新たな試みとして、大学野球部からクラブチームが誕生します。クラブチームが誕生することで、選手たちの公式戦の出場機会が増え、より野球部は活性化していくことでしょう。今後も野球部の動向から目を離せません。これからも、どの大学よりもひたむきに純粋に野球に取り組む鹿屋体育大学野球部への応援をよろしくお願いいたします!
垣見泰地

